動画はMacのアプリ切り替えをロータリーエンコーダーで実現したもの。これはいろいろ捗ります。
Moto360を手に入れ、そして手放した話。
以前からAndroid Wear は気になっていたのですが、Moto360の円形ディスプレイに惚れて、入手するまでずっと我慢していました。
だが、9月の中旬にようやく個人輸入で手に入れることができたにもかかわらず、開封して30分で手放そうと決め、そして今もう既に手元にはありません。今日はその話を。
勘違いしてほしくないのは、Moto360は間違いなく今までの腕時計型ガジェットの中で最高峰だと私は思っています。Androidとの連携もスムースだったし、操作に迷うこともなく、美しいディスプレイや革バンドに至るまで良く出来ています。
ただ、私は、思ったよりも「腕時計」にこだわりがあったようで、持ち上げただけで即座に時間が確認できる腕時計に比べて、加速度で認識するとはいえMoto360は腕を上げてからディスプレイが点灯するまでのコンマ数秒にフラストレーションを感じました。どんなに、これは腕時計ではなくガジェットだ、と頭のなかでは意識しても、どうしてもこの差は埋まりませんでした。スマートフォンの通知を転送してくれるのも楽かもしれませんが、日常的にそれほど通知を気にすることも実はなく、結局のところMoto360で新しい体験はできるかもしれないが、私の日常を良い方向に上書きするほどではなかった、と気がついたのでした。
この差は多分電子書籍リーダーの体験と同じで、私自身一度は電子書籍にトライしたものの紙の本に戻ってます。生まれてから紙の書籍を体験していなければ違和感を感じないものの、紙の本の経験が長かったのでその経験を上書きできないのです。電子書籍だと読む喜びや残る知識が半減してしまい、最近は実用書でも本で買うようにしています。
(面白いのは、マンガだと電子書籍自体に全く違和感はないのです。読んだあとの余韻も変わりません。体験の違いから来るのかもしれないですが。)
話を戻すと、
結論として、少なくともスマートフォンとの連携無しで稼働するようになるまでは、腕時計型ガジェットには手を出さないことにしました。エンジニアとして出遅れるかもしれないが、そのリソースは他に振り分けることにします。
最後にMoto360のファームアップデート前の起動アニメーションを。18秒くらいから始まるアニメーションがMoto360の開発コンセプトをよく表していると思います。
遺伝子検査MYCODEを試す
自社関連サービスで宣伝のようになりますが、DeNA Life Scienceの提供する遺伝子検査サービス「MYCODE」を注文してみました。
遺伝子検査という分野は実のところ研究自体は相当進んでいて、海外では手軽に試すことができます。国内ではジーンクエストさんが先行してサービスを提供し、他にも数社同様のサービスが開始された、という状況です。
在宅で、唾液サンプルを採取するだけで利用できる遺伝子検査ということで非常に手軽ですが、せっかくなので約280種類の検査項目が判るオールインワンを申し込みました。一日一項目をネタにすれば、営業日換算で1年以上はネタにできますね。
ちなみに、最初に開封するとスタッフからのメッセージが入っていました。これは購入された方ご自身で見て戴ければと思います。あと面白かったのは、唾液を出しやすくするようにということでレモンの写真のカードが入ってました。
結果がでましたら、またネタにさせていただきます。
過去購入した端末の中で最高額
【書評】Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか
随分前に読み終えていたのだが、良い本だった。
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いつもリーダーシップについて悩んでいるようであれば、是非読んだほうがいい。
技術が中心の会社で起きうるマネジメントの問題が網羅されている。
既に他の製造業と同じように、ソフトウェアの開発工程はより複雑になり、多くの人員を以って分担するようになった。
一方で、そのマネジメントは十分に成熟していない。本書はその道標になるだろう。
ただ、本書はソフトウェア開発のマネジメントを網羅的には書かれているが、体系的になっているわけではない。何度も読みなおして、自分の中で体系的に知識を身につける必要があるだろう。
【書評】コネクト 企業と顧客が相互接続された未来の働き方
正直この本は、帯のダニエル・ピンクのコメントで買った。
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非常によく書かれた本であることは間違いないのだが、正直ピンとはこなかった。かつて様々な本で書かれていた断片を集めて、丁寧に書かれている印象ではある。まだ私には早かったのかもしれない。読まれる方は、まず目次に目を通して戴けるとよいだろう。
コンピューター言語の歴史を学ぶ【書評】コーディングを支える技術
ITシステムを構築する際にいつも問題となることの一つに「どの言語で作るか」があります。iOSはほぼObjective-Cでしか作れないので悩むことはありませんが、多くのシステムはその構築までにどのアーキテクチャを使い、どのフレームワークを使い、そしてどの言語を使うかとの問題がつきまといます。Perl, Ruby, PHP, そして最近はGoなど、どれも特徴があり、どれも万能ではありません。
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「コーディングを支える技術」はタイトルと通りのコーディングの本ではなく、どちらかというとコンピューター言語の本です。人が話す言葉が多くの過程を経て変わっていくように、コンピューター言語も様々な変遷を遂げており、それが何故そのように設計されたかを紐解いています。この本を読んだとき、ある人は設計書だと捉え、またある人は歴史書だとも捉えるでしょう。それ故、この本は技術本であることに違いは無いのですが、どのような人が読むべきかなかなか難しい。言語を習熟した人が過去を振り返り未来へと思いを馳せるためにあるような、そんな本でした。一つの言語を習得したと思ったら、読み返すと良いと思います。
Google Maps Android API v2 の ズームレベルとは何を指すか
Google Mapsを取り込んだAndroidアプリを作っていた際に、
「画面の1/4程度を動かすとデータリロードさせたい」
という要望が上がりまして、その実現方法を検討したことがありました。
通常 Mapの移動については、MapオブジェクトにsetOnCameraChangeListenerを設定して、
カメラの移動を取ればよいのですが、取れるのはLatLonであり、そのときのMapのズームレベルによって「画面上どれだけ動いたか」が変わることになります。
そこで、LatLonとズームレベル・それから画面上の実移動についての相関をアバウトに取れる仕組みをアプリに入れました。そのロジックをご紹介します。
Google Maps Android APIではズームレベル自体は2〜21まで設定できるのですが、
ズームレベル2を設定した場合、Google Mapは世界地図の概ね1/4を表示していましたので、
実際には、0を起点とした下記のような仮説を立てました。
スマートフォンの画面に表示される地図の幅(Km)
= 地球の円周(Km) / (2 ^ ズームレベル )
つまり、地球の円周≒40075km とすると、
ズームレベル 2 の場合は 40075km / (2 ^ 2) = 約10018km
がスマートフォンの画面幅に合わせて表示されます。
逆に駅から徒歩10分の周辺を表示したい場合は、
徒歩所要時間 = 80m / 1分だとして、大体1.6km四方が見られれば良いので、
40075 / 2 ^ x = 1.6(km)
x ≒ 14.6
となり、ズームレベルは14.6が適切、ということになります。
普通の産業へ:【書評】Being Geek ギークであり続けるためのキャリア戦略
技術書といえばO’REILLY、というのはエンジニアにとって定番中の定番。私も古くはPerlのラクダ本からお世話になってます。
O’REILLYはイベントにも良く出展していて都度立ち読みしていたのですが、つい先日のデベロッパーサミットでは「10%オフ」と「4000円以上でオリジナルTシャツ」に惹かれて3冊ほど買ってしまいました。まあ当日は近年稀に見る大雪で荷物が増えてしまったことを後悔したのですが、あとの祭りですね。
買う前に3冊はどれもサラッと内容を確認したのですが、最初に目に止まったのがこの本でした。
本全体の方向性としては「Geekが社内でキャリアを積むために理解しておくべきこと」という感じでしょうか。
内容はタイトルとはだいぶ異なり、GeekもしくはNerdが人間的な成長を迎えたときにどのようにあるべきかを書いたものです。元はブログの記事をまとめたもののようで内容は散漫としてるのですが、全般的にはソフトウェア企業・もしくはソフトウェア産業で働くエンジニアが生きていくための戦術がまとめられています。そんな感じなので、「どうやったら最良のコードが書けるか」「どうすれば一生プログラマーでいられるか」という視点では書かれてはいません。
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こういう本をエンジニアが読まなければならない、その理由だと私が考えているのは、常に環境は変化するということです。ソフトウェア産業は成熟していき、普通の産業になりつつあります。一方で、自分自身の記憶力は減退し、発想力は衰え、新しいタレントが台頭していく中で、会社のなかで以下に自分のポジションを確立していくか。小さい話ではあるんですが、30代くらいのエンジニアの、次の10年の生き方を客観視できる良書だと思います。
端的に面白かったのは下記の引用の部分でした。
たとえば「このページにちょっとチェックボックスを追加してくれないかな」と頼むとき、頼んだ側の人間は、それが至極簡単なことだと思っている。「If/Thenとかで、条件分岐をさせればすぐにできるだろう」などと思う。
無邪気なものだが、エンジニアにとっては実に苛立たしいことである。
安易に頼まれたとおりにすれば、仕様が変わってしまう。しかも、ひどい仕様になってしまうことが多い。そして、何より困るのは、頼む側が、こちらの作業の具体的内容を良く分かっていると思い込んでいることだ。「この機能を追加するには、こういう作業をすればいいだろう」と想像し、その想像は正しいと信じているのだ。
いやあ、ほんと。分かっていらっしゃる。
ゲームではないgame:【書評】ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義
ウォートン・スクール」と「ゲーミフィケーション」という2つの単語に飛びついてしまったが、良書であった。ウォートン・スクールといえば世界初の、そしてMBAランキングでも1位である最も高い評価を受けるビジネススクール。そして、ゲーミフィケーションとは、所謂新しい「ビジネス」の手法であり、ゲームデザインを人間の行動に応用させる手法である。ウォートン・スクールが新しいビジネスの手法をまとめた本、ということであれば読まない手はない。
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本書はゲーミフィケーションの定義から始まるのだが、重要なのは訳者が指摘している
日本の「ゲーム」と英語の「game」の意味が微妙に異なる
という点が前提、かつ重要となっている。日本人が思い描くゲームより、英語のgameはもっと広く、スポーツや金融・ビジネスでもgameという要素まで意味合いは広がっている。ゲーミフィケーションはゲームではなく、人がビジネスを楽しむ要素を研究して付加することだ。これは、ダニエル・ピンクが提唱する「モチベーション3.0」につながるものだと思う。
すなわち、ゲーミフィケーションとは「ワクワクする動機付け」である。
どうやって「ワクワクする動機付けをさせるか」については本書はもしかしたら不十分かもしれないが、それでもゲーミフィケーションの概念を把握するには十分であろう。
そして、恐らく「ゲーミフィケーション」という呼び方は適当ではなく、今後言い換えられると予想している。そのうち新しい単語で、こういったマーケティング手法は説明されるのではないか。