ゲームではないgame:【書評】ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義

ウォートン・スクール」と「ゲーミフィケーション」という2つの単語に飛びついてしまったが、良書であった。ウォートン・スクールといえば世界初の、そしてMBAランキングでも1位である最も高い評価を受けるビジネススクール。そして、ゲーミフィケーションとは、所謂新しい「ビジネス」の手法であり、ゲームデザインを人間の行動に応用させる手法である。ウォートン・スクールが新しいビジネスの手法をまとめた本、ということであれば読まない手はない。


本書はゲーミフィケーションの定義から始まるのだが、重要なのは訳者が指摘している

 日本の「ゲーム」と英語の「game」の意味が微妙に異なる

という点が前提、かつ重要となっている。日本人が思い描くゲームより、英語のgameはもっと広く、スポーツや金融・ビジネスでもgameという要素まで意味合いは広がっている。ゲーミフィケーションはゲームではなく、人がビジネスを楽しむ要素を研究して付加することだ。これは、ダニエル・ピンクが提唱する「モチベーション3.0」につながるものだと思う。

 すなわち、ゲーミフィケーションとは「ワクワクする動機付け」である。

どうやって「ワクワクする動機付けをさせるか」については本書はもしかしたら不十分かもしれないが、それでもゲーミフィケーションの概念を把握するには十分であろう。

そして、恐らく「ゲーミフィケーション」という呼び方は適当ではなく、今後言い換えられると予想している。そのうち新しい単語で、こういったマーケティング手法は説明されるのではないか。

MacでSamsung SSD 840 EVOのTRIM有効化

毎年年賀状の季節になるとWindowsを使う必要があり、Mac mini上のVMware Fusion上で作業していたのですが、OSがMavericsになってからどうにも遅く、耐えられずにSSDに換装してしまいました。

導入したSSDはSamsung SSD 840 Evoです。換装作業自体はすんなりいったのですが、移行アシスタントが正常に動作しないという事態が発生。そちらは諦めて新規インストールとコピーで済ませ、最後に様々なサイトにある通りTRIM機能を有効にしようとすると、Trim Enablerでは有効になりませんでした。

そこで下記のサイトを発見。

http://www.mactrast.com/2011/07/how-to-enable-trim-support-for-all-ssds-in-os-x-lion/

記事の中でCHAMELEON SSD OPTIMIZERを勧められており、こちらで実施したところうまくいきました。(実行には1分くらい掛かったので多少焦ったのですが)

ということで換装が終わり、スピードテストをしたところ、ATAドライバがついてこれないのかSSDのフルスペックの1/4くらいのスピードしか出ません。それでもHDDよりはReadで5倍、Writeで3倍のスピードではあるんですが…。なんだか残念な気持ちに。

デジタルでないゲームで遊ぶ

昨年まで私が携わっていた仕事で、かつて私自身もかなりの時間を費やしてプレイしたゲームを企画されていた大変著名な方とご一緒する機会があり、その方からお誘いを受けてデジタルでないゲームで遊ぶ会に参加しました。これが大変楽しかったので、記録の意味でもプレイしたゲームを2つほど紹介させていただきます。

Kingdom Builder

ドミニオンの作者が作ったボードゲーム。ドミニオンよりもシンプル。
ボード上の土地に自分の領土を拡大し、最終的にはゲーム内ルールによる点数が一番高い人が勝ちとなります。
基本的な動作は、前の手番の最後に山札から1枚カードを引き、次のターンが来るまで思考を巡らせ、手番になったときにカードの示している地形に入植地コマを3つ置きます。但し、可能な限り既に置いてある自分の入植地コマに隣接しなければいけない、という点がポイントで、これにより戦略を組み立てたり他のプレーヤーの妨害ができたり、戦略的にゲームを進めることができます。

ルールは非常に簡単なのですが、ドイツ語版ということでカードだけでは十分にルールが把握できず、試行錯誤しながらプレイしました。

Shadows over Camelot – キャメロットを覆う影

アーサー王と円卓の騎士をモチーフとしたボードゲーム。ルールがかなり複雑です。

複数のボードの上でめぐらされる複数のクエストをこなし、円卓に7本の白い剣を揃えれば勝ち、というルールですが、各クエストの勝利条件がかなりキツく、プレーヤーが共同して戦略を立てて効果的に達成していかないと厳しいです。しかもプレーヤーの中には一人だけ裏切り者がいる可能性があり、疑心暗鬼のままゲームが続くという心理戦の要素もあるゲームでした。

5人プレイで 2回やりましたが、2回とも裏切り者(それも同一人物)に滅ぼされるという憂き目に合いました。

 

その後、会社でもよくゲーム研究と称してやっているドミニオンをしてお開きとなったのですが、上記2つのゲームを通して昨今のカードバトルの深淵を覗くことが出来、大変参考になりました。

Amazon EC2でMozc for Android(オープンソース版Google日本語入力)をコンパイルしてみる

IMEを作っている(そして放置している)ものとして、Google日本語入力が出た時点で「こっちでいいじゃん」的な気持ちになっていたのですが、とりあえずMozc for Android(オープンソース版Google日本語入力)でも弄ってみようと思ってはや1年近く。ようやく時間ができたので試してみました。それなりに悪戦苦闘しそうだと思ってはいたのですが、割とすんなりできたので手順を公開します。

本来の手順自体はこちらにあります。
https://code.google.com/p/mozc/wiki/AndroidBuildInstructions

まずはEC2でインスタンスを作ります。t1.microでは途中でCPUパワーが足りずにBuildが進まなくなるため、最初からm1.smallで設定したほうが良いでしょう。tokyoリージョンなのは趣味です。

スクリーンショット 2014-01-01 11.33.41

この時点でEBSを16GiBにしておく必要があります。これもデフォルトの8GiBではコンパイル中に容量が足りなくなるためです。
また、今のところUbuntuでないとコンパイルが保証されていないので、Ubuntu Server 12.04.3 LTS 64bitを選択してますが、後から32bitライブラリを足たりしているので、もしかしたら最初から32bitが良かったのかもしれません。

ログインしたらまず足りないものをインストール

% sudo apt-get install ant g++ make python subversion openjdk-6-jdk

Unzip / Subversion / make / gcc / pkg-config も入れておきます。

% sudo apt-get install unzip
% sudo apt-get install subversion
% sudo apt-get install make
% sudo apt-get install gcc
% sudo apt-get install pkg-config

32bitライブラリを入れておきます。

% sudo apt-get install ia32-libs

一度インストールしたら、

% sudo apt-get update

も実行してください。

AndroidSDKとAndroidNDKもダウンロードして展開。

% wget http://dl.google.com/android/adt/adt-bundle-linux-x86_64-20131030.zip
% wget http://dl.google.com/android/ndk/android-ndk-r9c-linux-x86_64.tar.bz2
% unzip adt-bundle-linux-x86_64-20131030.zip
% tar jxfv android-ndk-r9c-linux-x86_64.tar.bz2

いよいよコードをダウンロード

% cd ~/
% svn co http://src.chromium.org/svn/trunk/tools/depot_tools
% export PATH=”$PATH”:`pwd`/depot_tools
% mkdir -p ~/src/mozc
% cd ~/src/mozc
% gclient config http://mozc.googlecode.com/svn/trunk/src
% gclient sync

周辺ライブラリzinnia(手書き文字認識エンジン)が足りないのでダウンロード・インストールしておく

% cd ~/
% wget http://downloads.sourceforge.net/project/zinnia/zinnia/0.06/zinnia-0.06.tar.gz
% tar zxvf zinnia-0.06.tar.gz
% cd zinnia-0.06/
% ./configure
% make
% sudo make install

再度 gclient syncから

% cd ~/src/mozc
% gclient sync

パスを通す

% export PATH=~/android-ndk-r9c:~/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/tools:~/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/platform-tools:”$PATH”
% which ndk-build android adb

さらにJava をインストールし、SDKをアップデートしておきます

% sudo add-apt-repository ppa:webupd8team/java
% sudo apt-get update
% sudo apt-get install oracle-java7-installer
% android update sdk -u -t platform,tool,platform-tool,extra-android-support

コンパイルを開始します

% cd ~/src/mozc/src
% python build_mozc.py gyp –target_platform=Android

(WPでは見えませんが、target_platform の前のハイフンは2つです)

% python build_mozc.py build_tools -c Release
% python build_mozc.py build android/android.gyp:android_manifest

local.propertiesを作成

% android update project -s -p android –target android-17

そしてBuildします

% python build_mozc.py build android/android.gyp:apk -c Debug_Android

これでDebugバージョンのapkが
/home/ubuntu/src/mozc/src/android/bin/MozcForAndroid-debug.apk
に出来ます。

 

以下補足です。

エラーが出る場合 1:

make: *** [out_android/Debug_Android/obj/gen/data_manager/oss/system.dictionary] Error 137
make: *** Waiting for unfinished jobs….

こんな感じのエラーはCPUパワーが足りてません。
t1.microではCPUパワーが足らないので、m1.small以上で起動しなおしましょう。

エラーが出る場合 2:

BUILD FAILED
/home/ubuntu/src/mozc/src/android/custom_rules.xml:42: The following error occurred while executing this line:
/home/ubuntu/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/tools/ant/build.xml:601: The following error occurred while executing this line:
/home/ubuntu/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/tools/ant/build.xml:653: The following error occurred while executing this line:
/home/ubuntu/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/tools/ant/build.xml:698: Execute failed: java.io.IOException: Cannot run program “/home/ubuntu/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/build-tools/android-4.4/aapt” (in directory “/home/ubuntu/src/mozc/src/android/protobuf”): error=2, No such file or directory

これは32bitライブラリが足りていないときです。このコマンドからia32を導入してください。

% sudo apt-get install ia32-libs

エラーが出る場合 3:

INFO: Running: make -j2 MAKE_JOBS=2 BUILDTYPE=Debug_Android builddir_name=out_android apk
ACTION android_android_gyp_assets_touch_stat_data_target_assets_touch_stat_data android/dummy_touch_stat_data
make: *** [android/dummy_touch_stat_data] Error 1
Traceback (most recent call last):
File “build_mozc.py“, line 1437, in <module>
main()
File “build_mozc.py“, line 1425, in main
BuildMain(cmd_opts, cmd_args, original_directory_name)
File “build_mozc.py“, line 1038, in BuildMain
BuildOnLinux(options, targets, original_directory_name)
File “build_mozc.py“, line 992, in BuildOnLinux
RunOrDie([make_command] + build_args + target_names)
File “/home/ubuntu/src/mozc/src/build_tools/util.py”, line 97, in RunOrDie
‘==========’]))
build_tools.util.RunOrDieError:
==========
ERROR: make -j2 MAKE_JOBS=2 BUILDTYPE=Debug_Android builddir_name=out_android apk
==========

なんらかの理由でコンパイルが失敗しているので、一度cleanして実施すると上手くいく可能性があります。

% python build_mozc.py clean –target_platform=Android

エラーが出る場合 4:

/home/ubuntu/android-ndk-r9c/toolchains/arm-linux-androideabi-4.6/prebuilt/linux-x86_64/bin/arm-linux-androideabi-ar: android/obj/local/armeabi/libclient.a: No space left on device

EBSボリュームが足りていません。EBSボリュームを拡張しましょう。詳しくは
http://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/ebs-expand-volume.html
でご確認ください。

さらに補足:
aaptのパスが通らなかった場合がありましたので、その場合は下記を投入してください。

% export PATH=/home/ubuntu/adt-bundle-linux-x86_64-20131030/sdk/build-tools/android-4.4/:”$PATH”

 

ROIの高い本 -【書評】グロースハッカー

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

昨年は例年に比べて本を読まない年でした。私の場合、「本を読む」という行為自体にある程度まとまった時間が必要になるので、仕事やTODOに追われると確保できる時間が細切れになってしまい、本を読んでも頭に入ってこないのです。ということで、ようやく正月休みになって積ん読を消化しているのですが、今年一発目はこれでした。

この本、内容量は非常に少ないのですが、その割には獲得する知識は多かったように思います。多くのビジネス関連書籍が同じ事を手を変え品を変え分量を増やすのに対し、言いたいことだけサラっと書いてあるので、読んだ時間に対する投資利益率が高いものになっています。これがタイトルの「ROIの高い」の理由。内容も大きく踏み込んだものではありませんが、グロースハッカー自体の考え方を理解するのにはコンパクトで良書だと思います。

私自体、グロースハッカーの定義をすこし誤解していたので、正しく理解し直せたという点でも得るものはありました。

さて、この本ですが、グロースハッカーの本だけあっていろいろ取り組みをされています。まずはこちら。

こちら、更新されていなければ表紙の異なる「グロースハッカー」が表示されているかと思いますが、実は今販売しているものは表紙の4/5を占める帯がついています。デザインされたタイトルが小さかったので修正したのでしょうね。ここまで大胆な帯をつける本は知りません。帯が全てを覆わなかったのは裏表紙のバーコードを隠さない為「だけ」だと思いますので、その制約がなければ帯だけ表紙になっていたことでしょう。

また、この本はROIが高いと書きましたが、著書以外の解説などが1/4を占めます。こんな本も今まで見たことがないのですが、クックパッドやZaimについて解説されていてこの部分も面白いです。

この手のものこそ電子書籍の方が合うのではないかと思うのですが、そこは特典でフォローなんですかね。