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2011-02
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(4)
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(4)
IMEの開発というアプローチについて五月雨に書いています。
4. 自分が欲しい物を作ること。そしてUIを考えすぎないこと。
Wikipediaの実装は、現時点でも全て納得行っている、というわけではありません。そもそもWikipediaの検索機能が本当に必要であるのか、というのは疑問であったりするのですが、これが国語辞典だったり英和辞典であれば一定の需要はあると思います。A3に向けてはそこまで作り込めなかったのですが、逆にWikipediaを選んだことでちょっと変わった単語(特に地名など)がすぐに分かるので面白いというのもありますね。他にも知り合いと話をしていて、郵便番号を入れると住所と同時に地図がでると面白いよね、とか言う話もあったのですが、さすがにすぐに実装が出来ずに今後へのペンディングとしました。
その一方で、機能というわけではないのですが、可能性の提案として二つのキーボードデザインを外注して実装しました(外注先は妹ですが)。作って欲しいことの概略だけ説明して、あとはおまかせだったのですが、大変良いものが出てきて感動しました。2パターンのデザインはどちらも私からは思いつかない発想でできています。
左から、Fabricca(元のデザイン) / チョコ /ブロック / ハートです。
Fabriccaとチョコは自分のデザインですが、ブロック / ハートは作ってもらった物。ハートのデザインは自分では絶対生み出せないシロモノです。
ただし、ここで注意して頂きたいのが、デザインを優先的に考えたため、一部でUIが少し犠牲になっているということです。具体的には、ハートのテーマを選択すると、文字が一部赤いハートと重なってしまって見難いのです。これはUIデザイン上できるだけ避けるべきなのですが、何よりも私がこのデザインを気に入ってしまい、多少の使いづらさでも好きな人はいるだろう、ということでそのままにしています。もちろん、もっと完璧に近いデザイン、あるいはUIはあるのかもしれませんが、なにより、自分がこれで心地良い、という点を重視しています。
この考え方は、キーボードの選択動作の実装にも現れていて、Androidの通常は12キーとQWERTYを行き来し、かなと英字を行き来するスクエアなモード切り替えになるのですが、iPhoneの動作を踏襲して、ArtIMEでは12キーかな→QWERTYかな→QWERTY英字を繰り返すようになっています。これも、キータッチの多さより自分が使ってて分かりやすい、という点を考慮したものです。
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(3)
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(3)
IMEの開発というアプローチについて五月雨に書いています。
3. Fabriccaの公開、反応と課題
当初の「iPhoneの操作感を再現する」という目標はFabriccaで一応の達成を見ました。「Fabricca」という名前にしたのはHanabi入力の実装をしているうちにSimejiとの差別化を考え出し、全体的に着せ替えのできる「ファブリック」構想が出てきたものと、「icca」という語感を使いたかったという理由からです(~iccaを使うに当たっては、Twiccaの作者様には断りを入れています)。Fabriccaは非常にシンプルな機能しかないのですが、コピペやカーソルパッドの実装など数回のアップデートを経て、現時点でシンプルながらも1500DL / アクティブ40%という良い評価を頂いています。また40近くのコメントは期待されている証拠と受け取っています。
このように、ある程度の評価もされていたですが、作っているうちにSimejiが通ってきた道が理解できたり、どうせならば、いままでのソフトウェアキーボードとは違うことをやってみたいということを考えたのが2011年1月。このとき、ひとつのアイディアが浮かんでいます。
「インタラクティブIME」 – キーボード自身が利用者と対話する
通常のハードウェアキーボードはおろか、iPhoneや現在のAndroidでも実現されていない「キーボード自身が対話する」ことを想像しました。本来キーボードは人間と機械の仲介をする装置であり、キーボード自身が情報提供することはほぼありませんでした。しかし、ソフトウェアキーボードはそれを可能にし、Androidはその構想が許されます。この構想を実現にすると考え始めたとき、A3Winterの〆切まで1ヶ月を切っていました。
Wikipedia検索のテストアプリケーション。実装前に実現可能かテストすることは大変重要です。本当はもう1種類の機能の実装を考えていましたが、現時点では時間・技術的に難しいと判断して入れていません。
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(2)
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(2)
(2/14 公開しました。https://market.android.com/details?id=jp.codedesign.android.artime)
IMEの開発というアプローチについて五月雨に書いています。
2. アプリケーションの名前
CandyIME → Slim → Graphime → Flicka → Flicca → Petalicca → Slicker → Fab IME→Fabricca→あやくり→DesignIME→ArtIME→…
アプリケーションの名前とアイコンはいつもこだわり抜きます。いつも信念して考えているのは、「アプリケーションの名前とアイコンは設計図である」ということ。この2つが決まれば、自ずとどのような機能が入っていて、どのようなデザインなのかが決まると考えています。今回は、最初にIMEを作るぞ、という前からOpenWnnのソースを見ていて、そのときは「外観をもっと変えてみよう」という漠然とした考えから名前をCandyIMEという名前でプロジェクトを起こしていたのですが、本格的な開発を決めた際に「iPhoneの操作感のIMEを」という構想のプロジェクトをSlimと変えました。Simple / Light-weight Imput Method の略で、最初はOpenWnnをベースに機能をそぎ落とし、キーボードの配列と操作感を近づけるという作業を行ったのです。
メモによると、作成しているうちにHanabi入力(iPhoneで言うフリック)が絶対必要となり、実装実験を10/22に行っています。プロジェクトを起こしてから1週間ですね。一日数時間ですが、このころコツコツとやっていたことが今のIMEの基礎となっています。フリックは10/24に一度実装完了していますが、10/30に全て実装しなおし、11/3にロングプレスを実装して、11/5に再度全面実装しなおし、という手順を踏んでいます。
名前は、10/17にすぐGraphimeという名前にしています。本当は「Simeji」のように一発でわかって個性的なものを、と思ったのですが、なかなか良い名前が見つかりません。ここから名前とアイコンを作ってはやり直すということを繰り返します。ことえりをヒントに「あやくり」(文繰)なんて名前の案もありました。最終的にArt IMEにしたのは、この後年を越して 2011/1/3のことでした。
ArtIME 日本語入力開発ストーリー(1)
(2/14 公開しました。https://market.android.com/details?id=jp.codedesign.android.artime)
軽量日本語入力ソフトウェアのFabriccaのパブリッシュが11/21。それから3ヶ月の開発期間を経て、この度、後継IMEをリリースします。
Art IMEは、基本機能を押さえた上で、Wikipedia連携・カーソルパッド・デザインテーマなど今までのIMEに無い機能が満載です。 数日の間にマーケットにリリースしますのでしばらくお待ちください。
また、先だってA3Winterには登録を済ませているのですが、マーケットに登録する前に今回の開発について少しブログでまとめようと思っています。IMEというAndroidの中では少し毛色の違う開発対象に対して私がどのようにアプローチしたのか、その時考えたことなどを五月雨に公開していきます。
1. 開発のきっかけ – 真のギークではない
なぜIMEなのか・・・。
いま振り返るっても、IMEの開発が戦略として良かったのかどうか分からないのですが、とにかくIMEを作ることにしよう、と決めたのが、手もとのメモによると2010年10月16日でした。今から4ヶ月前です。
この経緯を語るにあたって、外せないのがA3でルックアンドフィール賞を受賞した「つぶやき文庫」。これで周りの環境もだいぶ変わり、Android界でも名を馳せている方々との交流や、日本Androidの会での活動もできるようになったのですが、その一方で、一応の代表作である「つぶやき文庫」はダウンロード数が思ったほど伸びません。それも当然で、普通に考えればこのアプリケーションは「日常を豊かにはするが、日常を便利にするものではない=普段使いにはならない」ので、目には止まってもダウンロードまでは至らないんですね。実際のところ、私自身も目新しいとは思っても毎日起動するアプリではないと思っていました。それに比べると、活躍されている方々のアプリは普段から使われるものばかり。これからも様々な方との交流を続けるに当たって、私にも「これは」というアプリケーションが必要と感じました。
ただ、その1本は1本でいい、ということも知りました。代表作が何本もある状態は個人ではメンテナンスも難しくなり、結局のところ利用者のためになりません。では何を作るか?いろいろ考えたのですが、最終的には、
- 現状Androidで使いにくいと思われる点を改善する
- 誰もが普段使うアプリケーションをターゲットとする
- 世界にも出せるアプリケーションにする
- 差別化のため、iPhoneではできないアプリケーションにする
という観点から「ソフトウェアキーボード」 と「メールクライアント」のどちらかにしよう、と絞りました。本来上の観点から行くとメールクライアントを選択するのが妥当なのですが、ここで迷った上に「自分が作りたいものを作る」という点から「ソフトウェアキーボード」を作る、と決めています。というのも、、、
私は普段からiPhoneの方ばかり使っています。Androidはキーボードがどうしても慣れないのです。ですので、まずはiPhoneの操作感に近いキーボードを作ることを第一の目標としました。
(続きます)
ArtIME 日本語入力 について
【本ページは ArtIME 日本語入力のマニュアルです】
A new IME
ArtIME 日本語入力は美しいユーザインタフェースと
インタラクティブ性を兼ね備えた、
新しい日本語入力用ソフトウェアです。
高速な変換機能を持つOpenWnnをベースに、
かつて無いデザインやWikipedia との連動など、
ソフトウェアキーボードの新しい利用法をご提案いたします。
ArtIME 日本語入力の開発にあたってのストーリーをエントリーしています。
詳しくは本ブログのトップページから御覧ください。
1. インストール
インストール方法は2通りあります。
- Android Marketもしくはそれに準じるマーケットサイトからダウンロードしてインストール
- ArtIME.apkを直接インストール
どちらの場合も、ご利用のAndroid端末本体のマニュアルもしくは該当するソフトウェアの利用方法をご確認ください。
2.有効化
本ソフトウェアはIME(Input Method Editor)であり、インストールしただけではご利用いただくことが出来ません。以下の手順を行うことで、ArtIME 日本語入力を有効化することができます。
・インストール後、ArtIME 日本語入力を起動してださい。
・「設定方法の説明へ」ボタンを押してください。
・「設定画面を開く」ボタンを押してください。
・「言語とキーボードの設定」の、「Art IME 日本語入力」の右にあるチェックボタンを押してください。
・Android端末本体のバックボタンを押し、中央の入力枠を長押しして、「入力方法」を選択し、「Art IME 日本語入力」を選択してください。
以上で、有効化は完了です。
3.使い方
- 日本語を入力する。
キーボードの地球マークを数回押すか、地球マークを長押しして、「日本語テンキー」もしくは「日本語ローマ字」を選択してください。

日本語入力のできるキーボード - 英語を入力する。
キーボードの地球マークを数回押すか、地球マークを長押しして、「English(US)」を選択してください。

英語の入力できるキーボード - Wikipedia自動検索
ArtIME 日本語入力は、最初のキーボードデザインをWikipediaに設定しています。 文字を入力すると、Wikipediaにある項目であれば自動的に検索して表示します。

Wikipediaで気になった検索があったときは、この状態で「ABC」などの文字選択キーを長押しすると、ブラウザを起動してWikipediaの該当ページにジャンプします。 - マッシュルーム
Simejiに代表されるIMEと同等に、マッシュルーム機能が利用できます。文字を入力したのち、変換前に地球キーを長押ししてマッシュルームを選択してください。

- カーソルパッド
テンキー状態の場合はスペースの上の■が表示されているキーを、QWERTYの場合はシフトキーを長押しすることでカーソルパッドがき起動します。カーソルパッドの機能は以下のとおりです。
・カーソルパッドをなぞるとカーソルを移動できます
・ダブルクリックで選択を開始し、シングルクリックで解除できます。
・下のcut / copy / pasteでそれぞれ文字列のカット・コピー・ペーストが可能です。
・カーソルパッドを終了する場合は右上の×ボタンを押してください。

カーソルパッド起動時
- 設定画面およびキーボードデザインの変更について
地球キーを長押しし、設定を選択すると、各種設定が可能です。
キーボードのデザインは7種類ありますが、「ウィキペディア」以外のキーボードではWikipedia検索機能は動作いたしません。


ブロックやハートのデザインがあります。
バグ・質問等ありましたら、
Twitter: @takahashi_ken
もしくは、本エントリーのコメントに残していただければ幸いです。
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