ArtIME 日本語入力開発ストーリー(4)

ArtIME 日本語入力開発ストーリー(4)

IMEの開発というアプローチについて五月雨に書いています。

4. 自分が欲しい物を作ること。そしてUIを考えすぎないこと。

Wikipediaの実装は、現時点でも全て納得行っている、というわけではありません。そもそもWikipediaの検索機能が本当に必要であるのか、というのは疑問であったりするのですが、これが国語辞典だったり英和辞典であれば一定の需要はあると思います。A3に向けてはそこまで作り込めなかったのですが、逆にWikipediaを選んだことでちょっと変わった単語(特に地名など)がすぐに分かるので面白いというのもありますね。他にも知り合いと話をしていて、郵便番号を入れると住所と同時に地図がでると面白いよね、とか言う話もあったのですが、さすがにすぐに実装が出来ずに今後へのペンディングとしました。

その一方で、機能というわけではないのですが、可能性の提案として二つのキーボードデザインを外注して実装しました(外注先は妹ですが)。作って欲しいことの概略だけ説明して、あとはおまかせだったのですが、大変良いものが出てきて感動しました。2パターンのデザインはどちらも私からは思いつかない発想でできています。

左から、Fabricca(元のデザイン) / チョコ /ブロック / ハートです。

Fabriccaとチョコは自分のデザインですが、ブロック / ハートは作ってもらった物。ハートのデザインは自分では絶対生み出せないシロモノです。

ただし、ここで注意して頂きたいのが、デザインを優先的に考えたため、一部でUIが少し犠牲になっているということです。具体的には、ハートのテーマを選択すると、文字が一部赤いハートと重なってしまって見難いのです。これはUIデザイン上できるだけ避けるべきなのですが、何よりも私がこのデザインを気に入ってしまい、多少の使いづらさでも好きな人はいるだろう、ということでそのままにしています。もちろん、もっと完璧に近いデザイン、あるいはUIはあるのかもしれませんが、なにより、自分がこれで心地良い、という点を重視しています。

この考え方は、キーボードの選択動作の実装にも現れていて、Androidの通常は12キーとQWERTYを行き来し、かなと英字を行き来するスクエアなモード切り替えになるのですが、iPhoneの動作を踏襲して、ArtIMEでは12キーかな→QWERTYかな→QWERTY英字を繰り返すようになっています。これも、キータッチの多さより自分が使ってて分かりやすい、という点を考慮したものです。

ちなみに地球マークもこのくらい作りこんでます。

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1件のコメント

  1. Easy Sujiというマッシュルームを使用しています。日本語12キーのまま「あかさた」と入力し、変換待機のままEasy Suji を呼び出すと、「あかさた」キーの各位置に対応した「1234」キーから、「12時34分」や「平成12年3月4日」等の変換候補を呼び出せます。ArtIMEですと、日本語12キーには「123」や「ABC」が併記されていませんので、脳内切替で対応していますがやりずらいです。「123」や「ABC」の併記をご検討いただけないでしょうか?

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