ArtIME 日本語入力開発ストーリー(1)


Art IME 日本語入力 – A new IME

(2/14 公開しました。https://market.android.com/details?id=jp.codedesign.android.artime

軽量日本語入力ソフトウェアのFabriccaのパブリッシュが11/21。それから3ヶ月の開発期間を経て、この度、後継IMEをリリースします。
Art IMEは、基本機能を押さえた上で、Wikipedia連携・カーソルパッド・デザインテーマなど今までのIMEに無い機能が満載です。 数日の間にマーケットにリリースしますのでしばらくお待ちください。

また、先だってA3Winterには登録を済ませているのですが、マーケットに登録する前に今回の開発について少しブログでまとめようと思っています。IMEというAndroidの中では少し毛色の違う開発対象に対して私がどのようにアプローチしたのか、その時考えたことなどを五月雨に公開していきます。

1. 開発のきっかけ – 真のギークではない

なぜIMEなのか・・・。
いま振り返るっても、IMEの開発が戦略として良かったのかどうか分からないのですが、とにかくIMEを作ることにしよう、と決めたのが、手もとのメモによると2010年10月16日でした。今から4ヶ月前です。
この経緯を語るにあたって、外せないのがA3でルックアンドフィール賞を受賞した「つぶやき文庫」。これで周りの環境もだいぶ変わり、Android界でも名を馳せている方々との交流や、日本Androidの会での活動もできるようになったのですが、その一方で、一応の代表作である「つぶやき文庫」はダウンロード数が思ったほど伸びません。それも当然で、普通に考えればこのアプリケーションは「日常を豊かにはするが、日常を便利にするものではない=普段使いにはならない」ので、目には止まってもダウンロードまでは至らないんですね。実際のところ、私自身も目新しいとは思っても毎日起動するアプリではないと思っていました。それに比べると、活躍されている方々のアプリは普段から使われるものばかり。これからも様々な方との交流を続けるに当たって、私にも「これは」というアプリケーションが必要と感じました。

ただ、その1本は1本でいい、ということも知りました。代表作が何本もある状態は個人ではメンテナンスも難しくなり、結局のところ利用者のためになりません。では何を作るか?いろいろ考えたのですが、最終的には、

  1. 現状Androidで使いにくいと思われる点を改善する
  2. 誰もが普段使うアプリケーションをターゲットとする
  3. 世界にも出せるアプリケーションにする
  4. 差別化のため、iPhoneではできないアプリケーションにする

という観点から「ソフトウェアキーボード」 と「メールクライアント」のどちらかにしよう、と絞りました。本来上の観点から行くとメールクライアントを選択するのが妥当なのですが、ここで迷った上に「自分が作りたいものを作る」という点から「ソフトウェアキーボード」を作る、と決めています。というのも、、、

私は普段からiPhoneの方ばかり使っています。Androidはキーボードがどうしても慣れないのです。ですので、まずはiPhoneの操作感に近いキーボードを作ることを第一の目標としました。

(続きます)

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